2014年9月5日金曜日

  先日の動画でフルエンシーの仕事っぷりが、よくお分かりいただけたと思います。
 44.1kHzのスペクトラムで最後の57秒当たり、20kHz~25kHzあたりがスッポリ抜けてました。
 
 でも、ホワイトノイズ20Hz~22.05kHzを食わせてやると、ちゃんと40kHz辺りまでなだらかに繋がります。

 動画とは、若干接続異なります。トランス無しで、アナログ端子直接見てます。
 基板はマスタ1枚で、レフトチップ前段PCM、ライトチップ後段生成DSD。
 測定レンジはDC-200KHZ、中央が100kHzになります。ひとメモリが20kHz。

 44.1kHz 青PCM アナログ端子直結 赤DSD128 アナログ端子直結
可聴帯域の20kHz超えて、40kHzまでだら下がりです。
 でも、FS/2な22.05kHzあたりは6dB落ち。1242Aの仕様書通りです。
 フルエンシのお仕事の結果です。
 60kHz辺りの盛り上がりは、量子化誤差とエイリアス由来のノイズ。


 96kHz 青PCM アナログ端子直結 赤DSD256 アナログ端子直結

 もうね、20kHzでバッサリ切れてます。
 80kH~110kHzはエイリアスノイズ。LPF通してないからです。

 192kHz 青PCM アナログ端子直結 赤DSD512 アナログ端子直結
 
これも20kHzでバッサリ。
 可聴帯域までしか仕事しませんって感じです。
 Volumioは、Sinc関数で補完してアップサンプリングデータ造って出してきます。「FS/2までの信号は元通りに再現しますよ」な処理なので、元データである20Hz~22.05kHzを全て、ほぼ元通りに再現しています。22.05kHz以上のデータは、もともと存在しないので、全く出てきません。Sinc関数はより高い周波数の音を作り出す訳ではありませんので。
 サンプリンレートも十分高いので、量子化誤差発生の余地もありません。綺麗に再現されてます。なので、高次に信号レベルが出ることは無いです。
 TIとか、ESSのDACは、内部でSinc関数補完処理するので、44.1kHzで再生しても、この192kHzと同じスペクトルで再生されます。FS/2で6dB落ちとかも起きません。

 アップサンプリングデータじゃなくて、ネィティブな192kHzサンプリングの20Hz~96kHzのホワイトノイズを食わせれば、100kHzまでだら下がりで出てくるはずです。

聴感上、どれが自然に聞こえるかは、FN1242Aの441ってことになるんじゃないかと。
 スーパーツイータ追加しようかなって気にさせます。
 まぁ、私が言いたいのはハイレゾな時代になってはきたけど44.1kHzだって凄いんだぞと。 


 44.1kHzPCMのアナログ(青)と、生成DSD128のアナログ(赤)が、どんな感じで違うのか良くわかるのがこちら。
 
1kHzの方形波です。
 プラスマイナスフルスケールな、0b0111111111111111と、0b1000000000000000を500usec毎に交互に入れてます。青が前段PCM、赤が後段DSD128のアナログ端子。

 中央拡大して、青がPCMアナログ。赤をLRCLKで見ると、1データでフルスイングさせてるのが良く判ります。赤はLRCLKなので、44.1kHzなクロックです。
ジャギってますね。スロープ部分。どっかから廻りこんでる風にも見えます。
サンプリングクロックより高次だし、マスタクロックほど高くないし、8段あるから8倍オーバーサンプリングのレートでジャギるのか?どうやらPCM再生でのアナログ端子には、8倍オーバーサンプリングで補完したDA結果がそのまま出てくるということのようです。
 352.8kHz相当のDA変換が行われていると。

赤を生成DSDデータに変えて見ると

 スロープ部分を8倍オーバーサンプリングして、斜めなデータを生成してました。
 フルエンシな振舞いです。
 22.6usecで立ち上がるスロープ波形として扱ってます。
 デジタルデータでは、マイナスフルスケールとプラスフルスケールしか無いのに、中間のデータを補間してるんですね。
 じわじわと、マイナスフルスケールなデータから、プラスフルスケールなデータに移行してます。

で、最初の波形(青44.1PCMアナログ、赤DSD128アナログ)を拡大すると、

 なんと美しい。

 DSD128相当ですから5.6MHzのなめらかさ。352kHzの16倍ですもの。
 これがスレーブ基板の静寂さ、ぶっ飛びサウンドの秘密なのでしょうか?
 逆に、「あれっ?こんなにPCMってノイズ載ってたんだっけ?」って気もするのですけど。

 asoyaji様は、「わざわざ変換して聞いてどうなの?と懐疑的でした」と告白されてますが、私もこんなに違いがある事が計測できるとは思ってもいませんでした。
 FN1242Aは、内部でDSD生成してるのだから、それをDA変換して出してるんじゃなかろうか?な話が出たこともありましたが、そいうことはやってないみたいです。タンデム基板の存在意義があったってモノです。

 同じマスタ基板上なので、チップの環境条件は同じです。GNDとか電源から廻りこめば、どちらもジャギるはずです。と、考えれば、どうやらPCMを処理するうえで載るみたいです。
 というか、8倍オーバーサンプリングの352kHzの結果なのですね。
 また、PCM側は、テストモードで動いてるのも不利な要素なのかもしれません。
 
 この違いを見ちゃったら、スレーブ基板でDSDデュアルモノだ!ってなっちゃいますね。
 今回の計測は、マスタ基板1枚で行ってます。
 スレーブ基板無くても、このようにDSD鳴らせますので御承知おきください。

9 件のコメント:

  1. FN1242Aの音が良いと言う評価が一部マニアの間であって、それは最後の正弦波波形の赤色に対する評価なのだろうと認識していましたが、青色の方なんですね。だとすれば、このタンデム基板のキモはマスター + スレーブで鳴らすDSD128と言うことですか。
    と言うことは、私はこのキモを未だ確認していないことになりますorz  うーむ、興味は別の方へ移っていたのですが、後戻りしてもう一セット組むか。

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    1.  最後の正弦波ー>最後の方形波ね。
       このような音楽再生では有り得ない信号喰わせると、激しく「荒」が出て面白い訳ですが、正弦波食わせた時も、352kHzの微小リップル載ってます。まぁこれはLPFでカットしちゃえな話ですね。 
       生成されたDSDが、44.1kHzで立ち上がるスロープをそのままアナログ信号として扱って、変換してるのが意外でした。

       スレーブ基板でDSD128聴いてやってください。フルエンシな可聴帯域以上の音が出てきますから。

       DIYINHKのESS基板ゲットして、ジッタクリーナ出力とか、生成DSD繋いでみました。
       随分前のtetu様の評価に納得です。ESSは優等生ですね。

       

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    2. > 最後の正弦波ー>最後の方形波ね。
      最後のアナログ波形同士と書くつもりを間違えました。

      私の最初の音の評価結果は44.1をFN1242Aでdsd変換してそれをES9018に食わせた結果ですが、これは高域の利得が落ちた信号を9018に入れて20kHz以上をスパッと切った、悪いとこ取りと言うことになりますね。今回の波形を見て我ながら納得してしまいました。

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    3. >dsd変換してそれをES9018に食わせた結果
      441kHzをDSD変換だと、高域だら下がり可聴範囲以上なDSD造るので、ES9018はDSDをそのまま再生するのじゃなかろうか?
       と、悪いとこどりにはならない気がしますが、ES9018が、DSD喰った時にもSinc関数補完するようだとtetu様のおっしゃる通りになりそうですね。

       ESSではPCMの波形しか見てなかった。DSDも見ておけば良かったとちょっと後悔。
       検証と思ったけど、ESS基板貸し出し中なので、戻ってきたら見てみます。

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  2. ここ何日か HP をチェックしないうちに、マスター + スレーブ基板の音の良さの秘密が解明されているではないですか!!
    CDの音源をアップサンプリングしてもガッカリすることが多くあった理由も納得です。面白い画像を有り難う御座います。
    PS. 「amaneroからタンデム基板への配線」をすべてシールド線にしました。静寂さが増すと思っていたのですが,期待したほどではなく,以外にも音のクリアさがましました。面白いものですね。
    次はasoyajiさんの「MCLKを2逓倍」に挑戦しましょう。

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    1.  是非 MCLKを2逓倍で、「超」ぶっ飛びサウンドを体験ください。

       タンデム基板入力前にジッタクリーナ基板ご使用との事ですが、こんな話見かけました。
      http://toukiyakoneko.web.fc2.com/blog.html
      要約すると、前段を精細レンジに、後段を荒レンジにするといいんですって。

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    2. 情報有り難う御座います。
      タンデム基板の基板の持つ静寂さを増すのが、タンデム基板の良さをさらに引き出す事だ・・・・との思いで、タンデム基板入力前にジッタクリーナ基板を用いていますが,マスター基板上のジッタクリーナの設定で音色が変わるのですね。理由は分かりませんが(^_^;
      マスター基板のBWSELの設定を高精細レンジにした時は静寂さの中に音楽が浮かび上がる素晴らしい音です。ただ、2つのクリーナの影響かやや神経質で,再生ソフトを代えたりすれば同調がズレるなんて事もありますし、ノイズから音楽が浮かび上がるまでの同調に時間がかかります。また,BWSELの設定をミドルレンジにするとクリアさはやや落ちますが音が柔らかく包み込むような感じになります。夜に静かに室内楽を聞くには最適です。ケースの外から設定の変更が出来るようにしておくべきでした。音の感じを変えられる・・・・なんて素敵ですから。
      でも、何故音色が変わるのでしょうかね?
      MCLKを2逓倍で、「超」ぶっ飛びサウンドを目指したいと思います。

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    3. >でも、何故音色が変わるのでしょうかね?
       マスタクロックは内部フィルタの処理に使われるので特に影響が大きく、ジッタが載ると、音楽的にはビブラートがかかる事になります。
       ジッタクリーナのレンジが違うとジッタの載り具合も変わるので、音質に影響するのかと。

       正昭様の再生環境だと、レンジの違い判るんですね。私の処じゃ聞いただけでは判りません。オシロ当てれば直ぐ判りますけど(笑)

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    4. 駄耳ですから音質の評価は当てになりませんが、インナータイプのヘッドホンを使用していますから、細かな音色の変化は分かり易いですし、Analogue部分には拘りました。レポートに記したように、DSC,IV は K式の電流モード動作で,電源にeneloopを用い、信号線はすべて「高純度6N銅線」を使用し、アース回路にはファインメットビーズを入れてあります。電源線もケース内では「高純度6N銅線」を用いています。K式では配線材としてモガミが標準で、暖かな音色は好みですが、今回はTandem基板の良さをさらに高めるために(クリアさを高めるために)銅線を使いました。たかが十数センチの線ですが効果は高いです。勿論「銀線」が使えればもっと良いのでしょうが・・・・(^_^;

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