2014年12月6日土曜日

 逓倍基板の作り方について

 逓倍基板完成図 modelB用
  

 26ピンソケット、8ピンソケットは、仮組して支柱で固定してから半田付けしましょう。
 20ピンピンヘッダも、タンデム基板と仮組してから半田付け固定してください。
 変な応力掛かると劣化します。

 5V電源強化端子は、半田面に付けることもできます(2012なC4が付かなくなりますが)。
 部品名称はTB111-2-2で、秋月電子で1個¥20-

 逓倍基板部品面
 

 一番最初に添付のエミフィル付けてください。結構な熱容量必要とします。
 次にNB3N2302。次いでC10の0.01uF、C11の0.1uFの順序で。
 C5~9の取付順序は問いません。RaspberryPiの3.3V電源強化用です。
 C5=22uF PMLCAP
  C6=10uF PMLCAP
  C7=0.01uF ポリフィル ECHU1C103JX5
  C8=0.1uF ポリフィル ECPU1C104MA5
  C9=1uF ポリフィル ECPU1C105MA5
 C10=0.01uF ポリフィル ECHU1C103JX5
 C11=0.1uF ポリフィル ECPU1C104MA5

 RaspberyPi繋ぐので、R1のBitCLK側に22~47オーム付けます。
 R1=1608~2012 22~47オーム

 逓倍基板半田面

 C1,C2,C3,C4の順に実装してください。小さいからとC2を先に付けると、C1付きません
 RaspberryPiの5V電源強化用です。
 C1=22uF PMLCAP
  C2=10uF PMLCAP
  C3=1uF ポリフィル ECPU1C105MA5
  C4=0.1uF ポリフィル ECPU1C104MA5

 RaspberryPiでBitCLKを4倍か8倍かでMCLK造るので、R4、R5に100kオーム付けます。
 DSD_H/PCM_Lな信号は出てないので、R7に100kオーム付けて、L固定にします。
 R6は不要。ModelBではR3は使いません。ModelB+、A+、Pi2BならR3に22~47オーム。

 R1=22~47オーム Amaneroは不要 全てのRaspberryPiで必用
 R2=22~47オーム Amaneroで使用 全てのRaspberryPiで不要
 R3=22~47オーム Amaneroは不要 B+、A+、Pi2Bで必用
 R4=100K
 R5=100K Amaneroは不要 全てのRaspberryPiで必用
 R6=100K Amaneroで使用 全てのRaspberryPiで不要
 R7=100K Amaneroは不要 全てのRaspberryPiで必用

 全ての抵抗が付く事はありません。使用形態に合わせて、排他的に選んでください。


 全ての表面実装部品を付けてから、仮組して支柱で固定して、ピンヘッダ、ピンソケット付けてください。
 SV4とSV5で、タンデム基板マスタと信号の送受信します。
 SV5はFS1側だけマスタと繋がります。FS0側は、R5かR6でロジックレベル固定。


 modelB全体図

 反対側の真横から

 下からRaspberryPi modelB マスタ基板 スレーブ右 スレーブ左。
 一番上のピンヘッダは、以前はマスタ基板が上だったから。今は未使用。
 ポテンショメータは半田面に実装。


マスタの部品面

 右下のJCJP5の一部はジャンパワイヤで繋ぎます。スレーブ基板に干渉しないように折り曲げてます。
 JCJP1は、7-8,9-10,11-12,13-14,15-16,21-22にプラグ。写真は7-8の分1個不足してました。
 MSTJP1は、11-12,13-14,15-16にプラグ。
 JCJP5は、3-4,8-10にプラグ。2-5,1-7にワイヤ接続。これで22/49MHz対応になります。
 JCJP2は、ポテンショメータの調整次第ですが、MCLK反転/非反転どちらでもOKです。

 MSTJP1は、本来はマスタ基板上のNB3N2302を1倍、2倍指定するジャンパですが、逓倍基板使う場合は常時2倍で動かします。
 マスタ基板上では不要となるので、逓倍基板上のNB3N2302の倍率設定に転用します。

マスタの半田面
逓倍基板に立てたストレートピンヘッダSV4がJCCN1の20Pinコネクタと、SV5がMSTJP1の22番に繋がります。2本刺さらないので誤解無きようご注意ください。

 既に部品面にピンヘッダ実装済みでしたら、外して付け直しとなります。ピンヘッダを破壊してもいいやな気分で外してください。というか、溶けてバラバラになる位加熱しないと外れません。
 加熱が不十分な状態で応力掛かるとスルーホールは簡単にちぎれます。
 「一本、一本半田を吸取って外す」やり方は、無駄に応力掛けて基板壊します。お奨めしません。
 これは外した部品を再利用して、基板を破棄する場合の外し方です。今回は逆。

 大量の半田を盛って、保熱させるのがコツです。充分に加熱して、充分に半田盛って、樹脂フレームが柔らかくなったところで一本ずつ、或はまとめて抜く方法で取り外してみてください。
 重要なのは「応力掛けない」って事です。半田が溶ければ自然に落ちますから。
 ピンヘッダが外れたら、スルーホールに残った半田を吸い出して完了です。

 通称レスキュー半田という、低温融点な半田があります。
 サンハヤトSMD-B05使うと、長時間溶けたままになって、抜き取りが楽に出来ます。でも、取れてからの掃除が大変な諸刃の剣。面実装部品取り外しキットって奴です。
 

 逓倍基板仮組図 modelB+、modelA+、Pi2B用

推奨されるDATAとLRCLK接続位置はこちらです。ModelBではJ5が繋がるSV2に、2列ライトアングルピンヘッダ付けて、ワイヤで繋いでください。
 半田面側で処理ならコンパクトに出来ます。配線空間はあるので、RaspberryPiに干渉しません。
 SV4を付けてから、SV2付ける事になります。
 R3に22~47オームつけて、BitCLKを繋いでください。R4~7は前述のModelBと同様。


部品面側で、DATA,LRCLKワイヤ繋ぐ場合の例1.


 横に出るのでまとまり良くないです。

部品面側で、DATA,LRCLKワイヤ繋ぐ場合の例2.

 Amanero接続用SV3に繋ぐ例です。1よりはまとまりがいいです。
 私はこの繋ぎ方を採用しました。


 逓倍基板仮組図 Amanero用
 

 Amaneroとマスタ基板の間に挟まるだけなので、マスタ基板のピン立て具合の変更は不要です。
 部品面 MCLKを1倍か2倍するので、R2MCLK側に22~47オーム付けます。
 半田面 R4とR6に100kオーム付けます。R1,R3,R5,R7は不要。

 R2=22~47オーム
  R4=100Kオーム
  R6=100Kオーム

 C1~4は5V用なので、Amanero使用時は不要。5V電源ネジ端子も当然不要となります。
 C5~9は3.3V用です。無くてもいいですが、付けておけば、アイソレータチップの3.3V電源の安定化に寄与します。


 JP1、JP2、JP3は、アップサンプリング基板等を使う場合にご使用ください。
 JP1は3穴ともGND。信号とGNDのペア撚り線とか、シールド線GNDに使用。
 JP2はMCLKとGND。
 JP3の||表示部でパタンカットします。
 JP3の右列から「他の基板」へ、「他の基板」から左列へ。

 ピンヘッダは、両面どちらに付けても構いません。
 ストレートでも、ライトアングルでも、仮組しながら色々考えて繋いでください。

 3Dパズル組み立てるつもりで取り組むのが正しいアプローチでしょうか。
 基本手順は、面実装部品半田付け。仮組。ピンヘッダ、ピンソケット半田付け。で進めてください。

12月7日更新 ここから
 大事な事書くの忘れてました。
 タンデム基板は「プリフラックス仕上げ」というヤツで、基板全面にフラックスが塗布してあります。ベタGNDプレーンのスルーホールを半田で埋めようとすると、上手い事半田が載ってくれて便利です。金メッキ仕上げと違って「磁性体なニッケル」が含まれないので音質的にも有利です。
 ですが、開封して悪環境に置いとくと、パッドやスルーホールが黒色化します。要は酸化被膜です。回避する為には早めに半田付けして組立ましょう。
 うっかり黒色化させちゃったとしても、半田の乗りが悪くなるだけなので、液体フラックス塗って半田付けすれば、還元されてフラックスのカスとして析出します。イソプロピルアルコールとかの洗浄剤で落とせば綺麗になります。

 今回の逓倍基板は「無鉛半田レベラー」にしました。オプション料金¥5000-追加!
 有鉛半田より、無鉛半田の方がオーディオには向いてるって話があるので無鉛にしました。デジタル回路基板だからあまり関係ないとも思いますけど、まぁ気持ちの問題って事で。
 こちらは「放置すると酸化して黒色化」って事起きないので、タンデム基板程気を使わなくて大丈夫です。無鉛半田お持ちな方は、「鉛と混ざっちゃう」事無く組み上げられます。
12月7日更新 ここまで


 逓倍基板のご注文は、まだ受け付けてます。NB3N2302チップ付きは納期かかります。

 FN1242Aタンデム基板ユーザじゃなくても、「Amanero接続仕様なDACにRaspberyPi繋ごう」って用途にもお使いいただけます。
 その場合は、NB3N2302のFS0,1にGPIO端子繋いでPythonスクリプトを少し手直ししてください。

 ご質問等、コメント欄にどうぞ。

15 件のコメント:

  1. 基板無事到着しました。
    ありがとうございます。
    PMLCAPやポリフィル ECHU1のコンデンサーは
    どちらで購入可能でしょうか。
    宜しくお願いします。

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    1. PMLCAPは秋月電子、Digikey
      ECHU、ECPUはRSコンポーネンツ、mouser.com。
      店と数量で価格が全く異なります。

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  2. Model B 用の
    C8=0.1uF ポリフィル ECPU1C104
    C9=1uF ポリフィル ECHU1C105
    は、ECPUとECHUが逆ではありませんか?

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    1. ご指摘ありがとうございます。修正しました。

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  3. komotan
     
     恥ずかしいのですが・・エミフィルはC474? C4? よくわかりませんので御教授ください。
     なお、パスコン C7,C8,C9 や C3,C4 は省略しても構いませんか??

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    1. 添付のエミフィルはEF1に付けます。正式部品名はNFM21PC474R1C3Dです。
      エミフィルは必ず付けないとNB3N2302仕事しません。
      C10,C11は無くても動きますが、NB3N2302の安定動作の為には付けてください。

      C1~C9はRaspberryPiの電源パスコン増量狙いなので、省略でも構いません。当然ながら、有った方が理想的なのは、言うまでもありません。

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  4. 部品セット受領しました。有難うございました。

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  5. 半導体計測屋様

     組上げたのですがVolumio が起動しません。 どこかにはんだ付け不良がありそうですが、逓倍基板の動作を確認するチェックポイントはあるでしょうか?

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    1. どこかでショートしてないか?
      電源容量足りないとVolumio起動しません。
      4.6V下回るとNGです。

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  6. komotan

    回路図で JP1,JP2 の使用目的がわかりません。  ご教授ください。

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    1.  JP1、JP2、JP3は、アップサンプリング基板使う時に使います。

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  7. マスタの半田面の抵抗について質問です。
    MSTCNとSV端子を抵抗で接続していますが抵抗値は
    22Ωでしょうか。

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    1. 33オームつけたつもりで確認してみたら、0.33オーム付いてました。
      間違えちゃった。何で部品箱にこんなの混じってたんだろ?

      22か33か47程度で、調度いいと思います。

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  8. 逓倍IC納期どうなってます?

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    1. 匿名様
       どなた様か存じませんが、12月21日までにご注文頂いてる分までは、全て出荷済みです。
       注文書のメール出したのに、メール返信もレターパックも届かないのであれば、手続き漏れの可能性あります。直接メールください。

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